細胞培養 特別講義 第24回から3回にわたり、東京大学 情報理工学系研究科・生産技術研究所の竹内昌治先生のインタビュー記事を掲載します。
竹内先生といえば、最近話題の食糧危機の救世主「培養肉」などの研究で有名です。それに限らず様々なご研究をされており、我々の今回のインタビューも快く引き受けてくだいました。
培養肉の話はすでにいろいろなところでお話されていましたので、今回は、先生の「幼少時代から現在のご研究にいたるまで」のお話をお聴きしました。
■ 講師紹介ページ:東京大学 竹内昌治先生
(竹内先生の研究室にて)
サッカー少年が、科学に興味をもつまで
小学2年生から中学3年生まではごく普通のサッカー少年でした。どちらかといえば、勉強ができる方ではなく、朝から晩まで、土日もサッカーをやっていました。山梨県の強いチームだったため、関東大会に出場したこともありました。
また、ガンダムをテレビで見たりしていたので、「将来はガンダムを作って乗ってみたい」と思ったこともありました。なので、再生医療とは全然違いましたね。
科学に最初から興味があったわけではなく、中学、高校で文理選択する際に、もともと国語が苦手だったので、「まずは理系だろう」と決めました。理系になって教科書を読んだり勉強していくと、昔の人がいろんな発見や発明をしたりしていて非常に面白いなと感じていました。
たとえば、学研のひみつシリーズを読んでおもしろいと感じて、漠然と理系を選んだ感じです。
東京大学を選んだものの、最初は何になりたいか思いつかなかった
東京大学の理系はⅠ・Ⅱ・Ⅲに分かれていますが、一番いろんな事ができそうだなと思って、私は理Ⅰを受験して進学しました。
1, 2年生のときは大学生活をエンジョイしていて、全く勉強してなかったです。しかし2年生になり学科を決める時期がきて、将来を見据えて学科を決めるわけですが、この段階では自分が何になりたいかが全然思いつかなかったんです。おそらく今の大半の学生たちもそうだと思うのですが、漠然と「自分は何でもできるだろう、でもその可能性は潰したくない」と考えて、潰しの効く機械工学科を選びました。
実際、機械工学科というのはいろんな分野の基礎をいろんなところに応用できる技術を学べるんです。機械・電気・物理など潰しの効く学科と呼ばれているんですが、その中で私は機械工学科を選んだんですね(笑)
将来を決める出会い
2年生か3年生のときに受けた三浦宏文先生の講義が非常に素晴らしくて、これぞまさしく東大の講義だ!!と感じました。また、時々話されるご自身の研究内容もすごくおもしろくて、ぜったいこの研究室に入りたい!!と思っていました。しかし、三浦先生は機械情報工学科に所属されており、私が所属している学科と違ったので、その枠を飛び越える必要がありました。
本来であれば、研究室に入るための申請書のようなものに希望を書いて提出する、という流れなんですが、私は学科を飛び越えるために裏工作に出ようかなと(笑)。
とにかく三浦先生の研究室にどうしても入りたいんです!!本当に入りたいんです!!ということをアピールしに何度も通いました。三浦先生は出張等でお忙しくお会いできなかったんですけどね。ですが、当時の助教授(今でいうと准教授)の下山勲先生がいらっしゃるときにお時間をもらえて事情をお話したところ、その裏工作があったかどうかは定かではありませんが、めでたく配属の際に選んでいただくことができたんです。とにかく私はラッキーでその研究室に入ることができました。
(次回に続く)
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